2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『教師BIN☆BIN★竿物語』木下古栗

またまたやってくれました、と言うしかないだろう。ほんとにこの人は傑作以外書かない人だ。最新号の鼎談でいくぶん誉められていたが、これで注目度は増すだろうか。ま鼎談で取り上げる作品の基準じたい不可解なときもあるし、なんとも言えないのだが、もっ…

『群像』 2008.9

久しぶりにオートバイの錆び取りを3時間くらいかけてやったのですが、翌日からずっと雨です。 タイミング悪すぎ。古いバイクなんで湿気が多いとすぐまた錆びるのです。錆び取り剤の効果って長続きしないんですよね。 まあそれはいいのですが、洗濯物の乾き…

『老愛小説』古屋健三

ヘンな小説だなこりゃ、が読み終わった直後の感想。そういう意味でだけは辛うじて存在意義はあるのかな。といっても、真っ当過ぎてつまらなような作品とドッコイドッコイでしかないのだけど。 ある意味、人を主体(目的)としてではなくモノ(手段)としてし…

『東京借景』荻世いをら

群像の鼎談で取り上げられていたので読んだが、時間の無駄だった。ほとんど新人という人でなければ[紙の無駄]としたい所。 しかし今さら東京に憧れて出てきて挫折する若者の話なんか読まされると思わなかったよ。とほほ。この小説、へんな熱血先生と、とくに…

拾遺『文藝』『文學界』

麻生が総理になりましたね。 私があの人を呼び捨てにする訳は、野中広務氏にたいする過去の差別的な発言からです。べつに野中のファンというほどのものでもないですが彼は保守派のなかではマシな方でしょう。 今日は読んだけど感想上げてなかった奴について…

『カーブの隅の本棚』鴻巣友季子

私が読んだ限りで最も説得力のある楊逸氏への擁護。読み終わってなるほどね!と思った。今『文學界』のこの号は図書館でも借りられるはずだから是非読んで欲しい。 ようするに楊氏の「乱れた日本語」は外国作品の日本語訳と近似だ、というのである。そして日…

『金魚生活』楊逸

楊氏の話題って、文藝春秋の思惑以上には世間的に盛り上がってない気がするのは私だけ?なのかもしれないが、それならば、と今作も臆面も無く[面白い]評価。天邪鬼というよりたんに世間でちやほやされると反感もっちゃう小市民ってだけなんだけど。 純文学作…

『文學界』 2008.9 読切作品ほか

せんじつWOWOWの事書きましたが、じつは映画はほとんど見ません。 なぜかというと、面白い映画もそこそこあるものの、面白くない映画もそれ以上に多く、時間を無駄にされるのが嫌だからです。音楽とか本とかって、それを購入するまえに途中を齧ってある…

『ちへど吐くあなあな』小林里々子

松本智子はなんとなく飛ばして、これ読んだが、老齢女性がいきなり再び生理になるという非リアリズム。でその生理が無生理症状の若い女性に移ったりして、最後は血のついたナプキンを銀座でばら撒いたりする。まあありえない事ばかりおきるし、登場人物は少…

『転轍機』桜井鈴茂

木下古栗は、題名からしてこりゃ面白いだろうなあという事で後回しにして、これを読んだのだが、そこそこ面白く読めたし、非常に好感を抱いた。深津作品の後に読んだから、という事にしたら両名に失礼だが、そんな部分はあるかも。 IT企業の若い社長とか、…

『壁の向こうの彼女』深津望

(本当の所は分からないものの)作家さん本人からレスなど頂いてしまうような事があると、他にも繋がりが欲しくなってまた誉めてしまう・・・などという事はもとよりこのブログでは全くするつもりはないので、正直に書いてしまう。ほとんど作品を発表していない…

『群像』 2008.9 読切作品

先日生まれて初めてUFOキャッチャーでぬいぐるみを落としました。 しかしパチ屋もスロットもゲーセンも人が少ないですね。

『平成版聖なる結婚』原田ひ香

たんなる見開き2ページのエッセイだが、これは看過できなかった。原田ひ香って何様? 「最近、生きにくいことを声高に主張する、被害者面した加害者が増えている・・・」 いやいや、「新潮」を「週刊新潮」や「新潮45」だと勘違いしてない? 最初、例の「…

『探偵の物語2008』前田塁

なんか古臭いいわゆるテクスト分析。読んでいて嫌な気分にさせられた。 平野啓一郎のあの作品こそ、テクスト的形式よりも、ベタに書かれた内容に対して言及すべきだと思う。平野啓一郎がこの手の文学的分析まであの作品で敵に回しているとまではいわないが、…

『日本語が亡びるとき』水村美苗

長い評論せっかく読んだのでひとこと。 前半の部分が非常に面白かった。とくに様々な国から文学者があつまってくるなかで、その国の経済がいかに意味を持つか、というあたり。 で、後半、英語圏が経済的に「勝利」したおかげで、言語的にもそうならざるを得…

『学問』山田詠美

いまや売れるかどうかは別にして、女性純文学者の番頭然とした印象のある山田詠美であるが、文芸誌中心に作品を読んでいる私のようなものにとっては、対談でよく目にするものの作品は殆ど読んだ事がなかったりする。大昔読んだ記憶から、ほとんど期待してい…

『このあいだ東京でね』青木淳悟

これでも評価は甘め。間違いなくここで言えるのは、文学がこのような作品ばかりになったら、間違いなく私は文学から足を洗うだろうな、という事。岡田利規みたいな小手先の工夫にすぎないようなものと違って、他ではまず見られないような、しかも骨のある志…

『新潮』 2008.9 読切作品

今、WOWOWで放送された『突入せよ! あさま山荘事件』を見ながらこれ書いてるんですが、何なんですかこの映画は。 そりゃ原作者が警察の人間だから一方的に警察を美化したようなヒロイズム映画になるのはしかたないかもしれませんよ。(警察ヒロイズムと…