2008-09-03から1日間の記事一覧

『平成版聖なる結婚』原田ひ香

たんなる見開き2ページのエッセイだが、これは看過できなかった。原田ひ香って何様? 「最近、生きにくいことを声高に主張する、被害者面した加害者が増えている・・・」 いやいや、「新潮」を「週刊新潮」や「新潮45」だと勘違いしてない? 最初、例の「…

『探偵の物語2008』前田塁

なんか古臭いいわゆるテクスト分析。読んでいて嫌な気分にさせられた。 平野啓一郎のあの作品こそ、テクスト的形式よりも、ベタに書かれた内容に対して言及すべきだと思う。平野啓一郎がこの手の文学的分析まであの作品で敵に回しているとまではいわないが、…

『日本語が亡びるとき』水村美苗

長い評論せっかく読んだのでひとこと。 前半の部分が非常に面白かった。とくに様々な国から文学者があつまってくるなかで、その国の経済がいかに意味を持つか、というあたり。 で、後半、英語圏が経済的に「勝利」したおかげで、言語的にもそうならざるを得…

『学問』山田詠美

いまや売れるかどうかは別にして、女性純文学者の番頭然とした印象のある山田詠美であるが、文芸誌中心に作品を読んでいる私のようなものにとっては、対談でよく目にするものの作品は殆ど読んだ事がなかったりする。大昔読んだ記憶から、ほとんど期待してい…

『このあいだ東京でね』青木淳悟

これでも評価は甘め。間違いなくここで言えるのは、文学がこのような作品ばかりになったら、間違いなく私は文学から足を洗うだろうな、という事。岡田利規みたいな小手先の工夫にすぎないようなものと違って、他ではまず見られないような、しかも骨のある志…

『新潮』 2008.9 読切作品

今、WOWOWで放送された『突入せよ! あさま山荘事件』を見ながらこれ書いてるんですが、何なんですかこの映画は。 そりゃ原作者が警察の人間だから一方的に警察を美化したようなヒロイズム映画になるのはしかたないかもしれませんよ。(警察ヒロイズムと…