2006-01-01から1年間の記事一覧

その他書評

川上弘美の『真鶴』についての書評あり。 久々に川上の文章を書評者の引用で読んだが、ほんの少しの引用を読んだだけで、以前に川上の文章を読んだときの気持ちの悪さが蘇る。 川上の文章は気持ちが悪い。リズムが全く合わないのだ。 へんなりズムで句点を入…

『文学まであと少し』田中和生

題名も、書き出しも、読む気を全く起こさせない評論家である。 文学雑誌を買うと、比較的短い評論的なものからパラパラ読むのだが、これほど読む気を起こさせないものも珍しい。

『上機嫌な私』小谷野敦

愛という言葉についての考察。 基本的なベースは「安易な近代批判」にたいする批判、といったところ。 テーマ自体は、それほど興味がある話題ではないし、今この人が中心にしている谷崎にも今のところ興味がないのだけれど、最後まで読ませる。 さすがに言及…

『私のマルクス』佐藤優

この人がすごい博識で行動力があるのは伝わってくるが、書いていることに全く興味は湧かないなあ。

保坂和志がこっちでも小島信夫の追悼文を書いている。

小島信夫だったら、他にいくらでも知ってる(書ける)人いるだろうに、なんでまた保坂なのか?『文學界』編集者のこの工夫の無さは、ほんとに『文學界』をつまらなくしている。保坂が『新潮』に追悼文書くだろうことは事前にきっと分かってる事なんだろうけ…

辻仁成の連載が今回で終わり。どうぞどうぞ。

(ついでに石原都知事の連載も止めればいいのに。。。おっと)

『B39』吉村萬壱。

たまたまページを開いて読んだのだけど、これは一体なんだ、という感じ。 インモラルなセックスを描くのは別に構わないけれど、金を出してまでこんなものは読みたくないというのが、正直な感想。 ハッテンサウナの様子とか、ちょっとしたリアリティなのだが…

『文學界』 2007.1

よくもまあ私の気に入らない作家ばかり集めたもんだなあ、の『文學界』 今月号から、矢作俊彦(と椎名誠)の連載が始まるのと、新年号ということで買ってみた。

保坂和志の評論

いつもどおりツマラナイ。この人の小説も(確か)ダラダラしていて辟易したが、評論もとにかくダラダラしている。ダラダラだらだらしている。何が言いたいのかさっぱり分からないし、分かろうとも思わない。例えば、小谷野敦なんかの評論とは対極にある文体。…

福田和也『わが戦前』

基本的に右派系の雑誌に書く人なので、まともに読んだことがなく、いつも多少は期待して読むのだが、今月はあの保坂和志を誉めているっていうだけで落胆させる。 保坂がむかし同じ会社にいた作家のことをけなしていたとか、そういうどうでも良い内輪話だけ面…

加賀乙彦『城砦』

これが結構面白い。最初から読んでいるわけではないから大筋もキャラの背景も余りつかめていないのだが、今、全学連のころの話を書いていて、そこに出てくる過激派学生の有様とか、それに共感したり、屈していったりする大学内部の人間の裏切りとか豹変振り…

高村薫『太陽を曳く馬』

いつも平野作品の次に読んでしまう。 主人公の刑事の内部描写が、いつも陰鬱なのでちょっと読みづらくもなるが、そこが最も作者の書きたかったことの一つという感じもして、まあ付き合えないこともない。 狂気の殺人事件が、今まで描かれているとおりであっ…

平野啓一郎『決壊』

これがあるために発売日が恋しい。 文学ファンでありながら、読みにくいという噂で彼の作品をこれまで全く読んだことがなかったのだが、これは読みやすく、面白い。 父親が鬱になって、家族のあいだに緊張が走るところなど、かなり書けていると思う。 どうい…

『新潮』 2007.1

表紙のレイアウトのセンスの良さ、作家のクオリティにおいて一つ抜けている『新潮』 今月号は"文学の5つの出来事"となっているが、興味を引くものはなし。 ただただ連載が良いので買っている。 奥泉光の連載が終わらない限り、そして金に余裕がある限り、新…