2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『詩人調査』松本圭二

期待以上に面白かったなあ。単なる独白じゃなくて、宇宙人と対話するっていう虚構は賛否両論かもしれないけど、退屈さを回避するという意味で評価したいし、これを単なる独白にしたら重たくなりすぎちゃうし。 いや対話にしたからこそ面白いんだよね。そこで…

『小説家52人の2009年日記リレー』

『新潮』はこれまでも朗読CDつけたり、源氏物語現代訳とかやらせたり、成功不成功はともかく、わりと保守的ではないかと推測されている購買層に反して、けっこう意欲的に色々企画するなあと、その点は好感が持てる。 中身だが、ただに日記にみえて結構これ…

『新潮』 2010.3 読切作品ほか

アナログレコードの中古店の事を書いていたら思い出したんですが、以前はそこそこ大き目の駅ならたいていそんな店があったんですよね。信じられますか?だから新宿とか更に大きなところだと20店舗はあったんじゃないでしょうか。西新宿とか、輸入盤、中古…

『ランボー光晴デュオの旅』

『すばる』の定期購入者として、いつ終わってくれるのか、心待ちにしている。こういう企画に金を出すくらいなら、ひとつでも多く小説載せたらいいのに。紀行文ってほんとつまらないものだと思う。同じ地名の別の場所に来ていたなんて、そんな事いちいち読ま…

『迷宮と宇宙』安藤礼二

自分の好みを言ってるみたいで申し訳ないけど、この人の文章だめだわ。評論ならもったいつけないでもっと単刀直入に言えないものか。たとえば、「もうひとつ別の作品があるのではないか。」なんていちいち自分で問いかけて「○○という作品が・・・・・・。」なんて…

新連載『野蛮な読書』平松洋子

いやもうのっけから少しも野蛮じゃないんですけど。なんでこんなのがすばるに、純文学雑誌に載るの、掲載雑誌間違えてませんか? たかが、ほんとにたかが!としか言いようがないんだけど、カステラを箸で食べるくらいの事が刺激的だという感覚が全く分からん…

『流れに運ばれまいとするもの』小野正嗣

短編だから仕方ないといえば仕方ないんだけど、ひとつのイメージだけで通した分やや広がりを欠いた気がしないでもない。これまでの小野作品を知っていればこそ、こういう作品もありだろうと思うし、地面に伏すモノ言わない老婆というのは、現代社会が省みな…

『患献相殺式情始末』青山真治

格別不出来なところもないんだけど、このシリーズ毎度のことながら、読んで殆どなんの感情も喚起されない。

『御不浄バトル』羽田圭介

群像の創作合評でも当然取り上げられるだろうし、芥川賞になった作品より良いんじゃないと思っていただけに、それほど話題になってないのが意外なくらい、面白く読めた作品。 たしかに、前半から中盤にかけては、ブラック会社に勤めていながら自分は何にも手…

『すばる』 2010.3 読切作品ほか

先日近くに用事があったので、久しぶりに下北沢に寄ってみたのですが、心なしか人通りが少なくなったような。昔はちょっとした裏通りまで結構人が歩いていたような記憶があるのですが。 しかし町並みは秋葉原に比べれば全然変わってませんでしたね。昔懐かし…