新連載『野蛮な読書』平松洋子

いやもうのっけから少しも野蛮じゃないんですけど。なんでこんなのがすばるに、純文学雑誌に載るの、掲載雑誌間違えてませんか?
たかが、ほんとにたかが!としか言いようがないんだけど、カステラを箸で食べるくらいの事が刺激的だという感覚が全く分からん。どこのお嬢様ですか。たとえばスプーン出すのが面倒だからプリンをのみ食いした事くらい誰だってあるんじゃないの。きっとスパゲティとかいちいちスプーンに丸めたりして食ってるんだろうなあ。フレッシュネスバーガーだって、格別変わったところのない、どちらかといえばただのバーガー屋だよ。モスの方がまだ変化があって刺激的。まあどっちも野蛮には出会えないけど。
「身じろぎもできない」だの「やられた」だの感想文以下の、自分の身体的反応が中心。あの力作『ヘヴン』への感想の分量がこれだけ?やや詳しく言及されている開高健にしても、この平松エッセイを読んでも少しも読みたいと思わないもの。だって、開高は愚直に人間に向き合った、ほぼこれだけだけだもんねえ。何も特別な事がない。どんな作家だって、推理小説とかSFとかの娯楽系はともかく、たいていは人間に向き合ってるよ。とほほ。
もしかしたら平松さんて、私が知らないだけで、こういう身辺雑記みたいなものでも読者を呼べる大物なんだろうか。世界が違うだけで、別に悪意はない、とフォローしておく。