2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧
新人なので甘めに、というかここ数ヶ月の間に発表された新人賞のなかでいちばん面白かったので、[面白い!!]にした。 短めに評価を書いてしまえば、私のいいたいことは松浦寿輝とほとんど一緒で、書きたいこと、書くべき事をもっている人は技術の差を超えるな…
すっかり忘れていたんですけど、アマゾンのマーケットプレイスで野性時代の金原ひとみ号を入手しました。 質問コーナーがつまらないですね。 いつ頃からか思い出す気もないんですけど、なんかこの手の10個の質問とかアンケートっぽいのが余り好きではなくな…
なんか久しぶりに、基本リアリズムでありながら、それだけでなくちょっとした非現実を織り込んだ純文学らしい小説を読んだなあという感じ。 非常に読みやすく、また、ボクシングじたいにも少なからず興味がもともとあったので、あっという間に読んだ。でもや…
『国家の品格』とかいう私にとっては全くどうでも良い本を書いた人が、"現在の大学生は本をあまり読まない。石川達三、丹羽文雄10人に1人ぐらいしか知らないんじゃないか。"という趣旨のことをいってるのを目にしましたが、恥ずかしながら両方とも読んだこ…
最初いままで[普通]評価にした他の小説と比べれば、[面白い]でいいかな、とは思ったが、内容としてたいした事が起るわけでもなし退屈な面も少しあるし、と迷った。結局[面白い]にはしたが、オススメというほどでもない。 とりあえず最初にいえるのは、文章が…
邪魔くさいので棒でつついても逃げないカラスがいました。そういうの見るとカラスにも思考がありそうに思ってしまうけど、ただ慣れているだけなんですよね、きっと。 ハトよりもカラスが利口そうに見えるのは行動の様式の違いだけなのかどうか、生物学に疎い…
なんかやっと佳境に入ってきたというか、多面的に物語が進行するようになったりしてきたし、心なしかページも増えているような気がして、読み応え充分。 同じ連載の平野作品とか、発売されたばかりなので内容は詳しく書かない、とこの間ココで書いたが、今月…
本にカバーをかける趣味もそもそもないし、家で出るゴミをなるべく減らしたいので、本屋でカバーをおかけしますかと言われたら即座に断るし、何も言わずにカバーを掛け始めたらカバー入りません、と途中でも止めさせるようにしているのですが、買った袋のな…
あまり吟味することなくさっと流し読み。 佐藤良明さんは、ピンチョンの長い独特な注釈つきの翻訳で私のなかではおなじみだが、他の仕事はよく知らない。 古川日出男も数作しか読んだことがない。というか挫折したことのほうが多い、そんな作家。 で、この2…
発売されてから日が浅いんでネタバレ的なことは書きませんけど、『新潮』の連載、平野作品、高村作品どうしようもなく面白いですね。 高村作品なんか、仏教に関する高度に観念的な論議まで話が及んでます。 平野啓一郎の過去作品はともかく、私はきっと『新…
すばるに載った前作が面白かったのである程度期待したのだが、ちょっと肩透かし。前々作に戻った感じである。 男に振られた中年女性がその男へ執着し続けるという話で、執着の程度は前々作には及ばないものの、ある程度しつこい。ただ、そのしつこさの核とな…
今月は出版社も分かってるだろうし、先月のような売り切れはないだろうという事は分かっていながら、群像を一応発売日に買いました。
これは評価しづらい作品。なぜかというと物語というよりは素描みたいな感じがするからで、あるいは何かからの抜粋のような感じといったらよいか。ブッダとその子、孫の生活についての描写なのだが、何かが起って何かが収束するわけでもなく、また描写の比重…
著者の略歴をみると、いわゆる"失われた世代"(=日本経済が一番萎縮したときに就職期の世代)のど真ん中のようで、どうしても同情が先走ってしまうが、読後感は、なんかステロタイプな小説を読んだなというもので、あまり良くなかった事は正直に書いておく。…
『文藝』の作品について書くのは初めてだと思う。いまいち興味が持てない作家の特集ばかりで目を通してすらいなかったんですけど。 けど文藝で特集されてるのって今人気の作家さんなわけで、それを興味がない、とはつまり、そんな今の人気というものと全然シ…