2007-11-05から1日間の記事一覧

『肝心の子供』磯崎憲一郎

これは評価しづらい作品。なぜかというと物語というよりは素描みたいな感じがするからで、あるいは何かからの抜粋のような感じといったらよいか。ブッダとその子、孫の生活についての描写なのだが、何かが起って何かが収束するわけでもなく、また描写の比重…

『青色讃歌』丹下健太

著者の略歴をみると、いわゆる"失われた世代"(=日本経済が一番萎縮したときに就職期の世代)のど真ん中のようで、どうしても同情が先走ってしまうが、読後感は、なんかステロタイプな小説を読んだなというもので、あまり良くなかった事は正直に書いておく。…

『文藝』 2007冬号 文藝賞

『文藝』の作品について書くのは初めてだと思う。いまいち興味が持てない作家の特集ばかりで目を通してすらいなかったんですけど。 けど文藝で特集されてるのって今人気の作家さんなわけで、それを興味がない、とはつまり、そんな今の人気というものと全然シ…