加賀乙彦『城砦』

これが結構面白い。最初から読んでいるわけではないから大筋もキャラの背景も余りつかめていないのだが、今、全学連のころの話を書いていて、そこに出てくる過激派学生の有様とか、それに共感したり、屈していったりする大学内部の人間の裏切りとか豹変振りが何気に面白い。政治的動物としての人間の有様は、けっこう私のツボだ。文革がどうのとかポルポトがどうしたとか、そういう話は好き。