2006-12-12から1日間の記事一覧

保坂和志の評論

いつもどおりツマラナイ。この人の小説も(確か)ダラダラしていて辟易したが、評論もとにかくダラダラしている。ダラダラだらだらしている。何が言いたいのかさっぱり分からないし、分かろうとも思わない。例えば、小谷野敦なんかの評論とは対極にある文体。…

福田和也『わが戦前』

基本的に右派系の雑誌に書く人なので、まともに読んだことがなく、いつも多少は期待して読むのだが、今月はあの保坂和志を誉めているっていうだけで落胆させる。 保坂がむかし同じ会社にいた作家のことをけなしていたとか、そういうどうでも良い内輪話だけ面…

加賀乙彦『城砦』

これが結構面白い。最初から読んでいるわけではないから大筋もキャラの背景も余りつかめていないのだが、今、全学連のころの話を書いていて、そこに出てくる過激派学生の有様とか、それに共感したり、屈していったりする大学内部の人間の裏切りとか豹変振り…

高村薫『太陽を曳く馬』

いつも平野作品の次に読んでしまう。 主人公の刑事の内部描写が、いつも陰鬱なのでちょっと読みづらくもなるが、そこが最も作者の書きたかったことの一つという感じもして、まあ付き合えないこともない。 狂気の殺人事件が、今まで描かれているとおりであっ…

平野啓一郎『決壊』

これがあるために発売日が恋しい。 文学ファンでありながら、読みにくいという噂で彼の作品をこれまで全く読んだことがなかったのだが、これは読みやすく、面白い。 父親が鬱になって、家族のあいだに緊張が走るところなど、かなり書けていると思う。 どうい…

『新潮』 2007.1

表紙のレイアウトのセンスの良さ、作家のクオリティにおいて一つ抜けている『新潮』 今月号は"文学の5つの出来事"となっているが、興味を引くものはなし。 ただただ連載が良いので買っている。 奥泉光の連載が終わらない限り、そして金に余裕がある限り、新…