『カーブの隅の本棚』鴻巣友季子

私が読んだ限りで最も説得力のある楊逸氏への擁護。読み終わってなるほどね!と思った。今『文學界』のこの号は図書館でも借りられるはずだから是非読んで欲しい。
ようするに楊氏の「乱れた日本語」は外国作品の日本語訳と近似だ、というのである。そして日本語が、このような(楊氏が書くような)かたちで国際化したっていいじゃん、と。むしろネイティブでない人の書いたものが、ネイティブで書くということの「自然さ」を相対化する契機にすらなるだろう、と。
私も思う。例えばイギリス人なんかだったら、たとえばインド系の人の書く「おかしな」作品に出会う機会は沢山あるだろうし、フランスだってアフリカ諸国の作品に、オランダだったらインドネシアとか同様のことはあるだろう。それって刺激的な面白い事じゃない?と言われれば確かに。国語の大切さとはべつに、ね。