2007-09-25から1日間の記事一覧

田中和生が高橋源一郎との話しを蒸し返している

なんか長いんだよね。怒っているというより、これをネタにいろいろ書ける、と嬉々として書いてるんじゃないかと思えるかのような饒舌ぶりで。 ポストモダンとはとか、そういう所まで話を広げられても興味のある人がどれほどいるんだろう。とりあえず、その量…

佐藤優

学生時代の話が終わってつまらなくなるかと思いきや、モスクワにいってからの話もなかなか読ませる。この人はいったい何をやってるんだろうという。それにしても記憶力が尋常ではない。事実とあってるかどうかの判断はまるでつかないけど。

『常夏の豚』矢作俊彦

食をめぐる問題とか、地方経済の惨状の問題とか、内面好きの文学好きが避けて通るような社会政策的テーマを扱うのは大いに賛意を表したいんだけど、あとはこの現実離れしたドタバタが楽しめるかどうか。 ブタを擬人化しているところとかも含め、私はあまり楽…

『心はあなたのもとに』村上龍

どんどん読み手としてテンションが下がっていく、そういう作品になってきた。 たんなる純愛ものとどこが違うか、あまり良く分からない。この成功した男が、この難病の女性に興味をもった理由はそれとなく分かるのだが、もっとより深く愛することになった理由…

『宿屋めぐり』町田康

これまでの粗筋が語られて総括されていくところなど、なんか物語りも終盤って感じがするんだけど、どうだろう。まだままだ突如として面白いフレーズが出てきたりはするけど、以前ほど筆の乗りが感じられない部分もほんの少し感じたりもして。 これもまた私が…

『歌うクジラ』村上龍

あまり筋じたいに、ワクワクしてこないんだよね。それがあればもっといいのに、と思う。 私にとっては、たんなるデストピアSF小説の枠内のものでしかなくて。ところどころ、そのデストピアな状況が現代に対しての痛切な批判になっているところはあるけれど…

『あまりに野蛮な』津島佑子

現代と戦前とが交互に語られるというスタイルを月刊誌の連載でやられると、話の内容を覚えてなくてついていけなくなりそうだ。 せっかく生まれた坊やが亡くなったことがいきなり既出のように語られて、読むほうとしてはあせる。明彦(学者であるダンナ)とギ…

『骸骨ビルの庭』宮本輝

今までは、みんな戦後苦労してきたんだみたいな苦労話ばかりだったんだけど、なんかちょっとスキャンダラスな内容もでてきそうな気配。みんな根は良い人間なんだ、みたいな所に収束していくのは勘弁と思っていただけに、ほんのちょびっと期待。

『ピストルズ』阿部和重

ヒーリングサロンの由来とかそういう話が続いているんだけど、話的にあまり興味がないなあ。小説技術として何も悪いところはないし、阿部和重もどちらかというと好きな作家なんだけど。

『日本語ラップ……その現在と未来への可能性』ダースレイダー

たんなるエッセイにコメントするのもなんだけど、つまみ読みしたので。 で、そこにけっこうな量転記されている日本語ラップなんだけど、その良さがほとんど分からない。ラップが近代文学と比べても遜色ないものになってきた、という事なのかとも考えたけど、…

『神器―浪漫的な航海の記録―』奥泉 光

独自の作戦が明らかになるまでも長かったが、明らかになってからも長い。まだ本格的には出帆していないんだもの。 こちらは高村作品とは逆になんか通俗風味が増してきていて、現代とはもうちょっと異質な、あの頃らしさが出てきてもいいんじゃないかと思うん…

『太陽を曳く馬』高村 薫

エンタテインメント系の作家の作品なのに事件らしい臭いが全くなかった今までなのだが、今回事件性が示唆される事件が起こって面白さ倍増の気配。 主人公の刑事の部署に仕事を監督しているような役割の人が張り付いていて、常に何かあれば報告を求められると…

『決壊』平野啓一郎

今月号(10月号)は増ページにも関わらず、あっという間に終わってしまうの気がするのは面白いからで、新潮がこれを増ページにするのは正しい選択だ。とはいっても、冒頭あたりにもう少し粗筋をくわしく書いてくれないと途中から読もうという人もなかなか居…

連載短評 ほか

どうも連休というと道が混みます。連休なんか無いほうが快適です。