『あまりに野蛮な』津島佑子

現代と戦前とが交互に語られるというスタイルを月刊誌の連載でやられると、話の内容を覚えてなくてついていけなくなりそうだ。
せっかく生まれた坊やが亡くなったことがいきなり既出のように語られて、読むほうとしてはあせる。明彦(学者であるダンナ)とギクシャクしだしたときも突然の印象があって、どうも重要なことを地の文ではなく、手紙に語らせるという事もやっていて、尚更ついていきづらいのだが。
それでもやっぱ台湾現地人とのかかわりや台湾の気候文化などと絡めて、ともすれば非日常的と見なしがちな帝国主義時の日本人の、日常的な有様を描いてるものとしての面白さはあるなあ。