2012-09-11から1日間の記事一覧

《特集 5篇のデビュー小説》

『息切れ』久保田智子・・・面白くないコメディ。とくに感想書くまでもなく。 『朝がある』柴幸男・・・工夫して書いているけどただ分かりにくいだけ。ふつうのもの書いてそこそこ読ませられるものを書ける(と感じさせる)人がする工夫なら許せるんだけど。…

『人は皆一人で生まれ一人で死んでいく』木下古栗

今作も無論傑作で、後半の怒涛ともいえる言葉の渦を読んでいると、自分が日々浴びている情報を取捨選択し整理整頓しているという正常さに、なんかもやもやした気分の悪さすら感じる。だが、気になるのは、いままで徹底して無意味に笑いのみ追及してきたのが…

『おはなしして子ちゃん』藤野可織

この人らしい、というかひとつのポリシーのような非リアリズムな現象をメインにしつつ、今回は、父母と没交渉気味な女の子が、みんなしてイジメていた子にある日復讐され、それを期に自らの傷を見出すという、昨今イジメ問題が騒ぎとなったが、そういう現代…

『もし、世界がうすいピンクいろだったら』墨谷渉

力作だなあ。ついにここまで来てしまったか。ただのマゾ男、あるいは数値こだわり男を書くだけの作家とか思っていた私はなんと見る目がないのだろう。今作であきらかに一段一つうえのレベルに到達してしまった。 物語は中堅機械メーカーの中間管理職の男なの…

『三姉妹』福永信

戯曲の体裁で誰かがつぶやいているのだが、その本文は抽象的で何を書いているのかすぐには分からず、核心のまわりをただようような感じなのに、より小さい文字で「今回のあらすじ」が載せられていて、これと合わせて本文を読むと辛うじて書いていることがや…

『大盗庶幾』筒井康隆

戦前、というか大正のころ、つまり日本の近代文化が花開いた頃の、華族出身でオモテの顔はサーカス団員(団長?)じつは裏の顔は盗賊という人の話。何が面白みなのかさっぱり分からず。

『群像』 2012.7 読切作品

パリーグよりセリーグの方が圧倒的にノーヒットノーラン(や完全試合)が出やすいということに気づいたのはつい最近です。 節電したから余裕があったのに再稼動必要なかったとか言う人って、たぶん戦時中とかだったら、われわれ国民一人一人がもっと我慢すれ…