2012-05-16から1日間の記事一覧

『昼田とハッコウ』山崎ナオコーラ

まさかハッコウが結婚して終わりとは。いやいや、少しも残念ではないのだが。 たぶんこの作品の意図というか、なにが書きたいか、なにが動かしているかが私にはさっぱりつかめていないから、この終わりも分からないのだろう。まさか、人と人が繋がるって素晴…

『地上生活者 第五部 邂逅と思索』李恢成

祝再開!

『ピンク色の三角』エレン・クレイジャズ 岸本佐知子・訳

まったく意図していないのに、というか逆の意図なのに、関係に楔を打ち込んでしまう行き違いが、ピンク色の三角というアイテムを触媒にしてうまく描かれている。で、そういう話の中心のポイント以上に、同性愛者へのこの仕打ちはあまりにあまりにひどすぎる…

『見おぼえのない女』谷崎由依

前半から中盤、やや芝居めいてはいるものの、リアルなサラリーマン中年の屈託を書こうとしていて、でそれなりに書けているというのに、同僚の女性の存在がどんどん一人歩き的に大きくなってきて、夢幻な存在に。で、私はがっかり。せっかくここまで、という…

『短篇五芒星』舞城王太郎

いつも虚栄心に負けることなく分からないものは分からないと正直に書いているつもりだが、今回は増して正直に書く。 この5編、どれもがレベル高く素晴らしく面白いのに、その面白さを説明的にうまく言い表す言葉が浮かばない。たとえば、前述の本谷短編なん…

『13の“アウトサイド”短篇集』本谷有希子

作風がやや固まりかけていたのが、「ぬるい毒」でやや違う方向へ歩みだし、この短編のかずかずで、より世界が広いことが確認できた。その一方でやや既視感のある本谷ふうユーモアだなでおわってしまうものもある。本人はたぶんそんな気持ちはぜったいないだ…

『群像』 2012.3 読切作品ほか

実際のところ、ケンドーコバヤシという人のどこが面白いのかさっぱり分かりません。 暑くなってきましたね。 いい大人になってから、路上でパンツ一丁で歩いたことがある人はそう多くはないと思いますが、高校生が大人かどうか微妙なものの、そのころ、単色…