『昼田とハッコウ』山崎ナオコーラ

まさかハッコウが結婚して終わりとは。いやいや、少しも残念ではないのだが。
たぶんこの作品の意図というか、なにが書きたいか、なにが動かしているかが私にはさっぱりつかめていないから、この終わりも分からないのだろう。まさか、人と人が繋がるって素晴らしい事だよね、ってことだけを言いたいがためではないだろうが、それしか読み取れず、そしてたしかに「仕事」には大いにそういう面があって、たんに金銭を得るためだけのものではないのだがしかし、たんに人と人が繋がるものではなく、あくまで金銭を介して繋がる乾いた拭えない一点がある。
それ思うと、主人公がアロワナ書店というところでまるでサークル活動しているような印象だったよ。