2010-09-11から1日間の記事一覧

『書評「島田雅彦『悪貨』』江南亜美子

ここで書評されているものは読んでおらず、書評として適切かどうかは分からない。また今後読むつもりもないので、全体の内容そのものもどちらかといえばどうでも良い。 しかし中ほどにあるこの記述はちょっと見過ごせないのだが。 「物が貨幣と交換される瞬…

最終回『なずな』堀江敏幸

バツイチ女性と主人公との、想いがあるのか無いのか微妙にして淡い交流ぶりが気になって、ずっと読まされてしまった感もあるが、連載中常に「すばる」で一番面白いページであったと言い切ってしまおう。 まずは赤ん坊の周りの空気の描写もそうだが、なにより…

『ロスジェネ芸術論』杉田俊介

にんげん何が嫌かって、自分を分かってくれないことより、分かってもいない人間が分かったかのようにふるまうことなんだな、って。この号の「すばる」で、飛びぬけて醜悪なこの評論を読んでそう思ったものだ。 「もちろん今のぼくらの手元には限られた資料し…

『鉄道、そして文学へ』川本三郎

やっとこの連載も終わりかと喜んだら15回も続いてたんだねえ。よくまあいろんな通俗小説とか映画をチェックしているなあ、というのは感心したけれども、それ以上のものはない。 端的にいって、昔の映画・文学作品に、昔主要な交通手段であった鉄道が出てく…

『ノースリーブ』松田青子

巻末の著者一覧を見る。人を喰ったペンネームかと思いきや「まつだ あおこ」て。この作家の世代は、もう聖子ちゃん明菜ちゃんなんて聞いたことない人が多い世代の人なのかもしれないが、残念というか、内容がしょぼくて、他に書くことがあまりないんだよね。…

評価不能『ジヴェルニー〜』原田マハ

以前別の作品を読んだが、数ページ読んだだけで同様のものと思われ、この手の内容のものは全く興味がないので読むのをやめる。というか、題名の横にいちいちおしゃれにフランス語が並列されているのを見て、この作家の美意識がもう駄目。ごめんなさい。 せめ…

『猫ダンジョン荒神(前編)』笙野頼子

田中和生へのDISとか、「新潮」の日記での東へのDISとか読んではいたが、小説はあまり読んだことがなくて。 とはいえなんともどこまでがフィクションなのか分からない内容で、笙野頼子を読むのに慣れていない私はこういうのを読むと例えば、評論やエッ…

『すばる』 2010.9 読切作品

またまたラジオからですが、最近自転車と歩行者の事故が急増していて、なかには高額な賠償金の支払いを命じられるケースも、という話題がありました。 それ聞いた瞬間、ザマーミロ自転車乗りめ!と思わずにはいられなかったワタクシ。いやマジで自転車ほど危…