最終回『なずな』堀江敏幸

バツイチ女性と主人公との、想いがあるのか無いのか微妙にして淡い交流ぶりが気になって、ずっと読まされてしまった感もあるが、連載中常に「すばる」で一番面白いページであったと言い切ってしまおう。
まずは赤ん坊の周りの空気の描写もそうだが、なにより赤ん坊の直接描写そのものは他に類を見ないくらい独特かつ繊細で、それによって主人公の中に生じる心の動きも含めて説得力の固まりだったなあ。読者もまた赤ん坊を直接見ているかのような育てているかのような雰囲気にすらなって。
で、特筆すべきは友栄さんだな。この人が職業人としててきぱきと赤ん坊に関わりつつ、の様子がツンデレのツンの魅力といったらいいか。で、何があったかしらないが決して見せない離婚の弱みもあって、それがいつデレに変わるかというのがあったんだけど・・・・・・。
他の人物造形も総じて秀逸だったのに、なんで終わっちゃうのよ!


以下おまけ