2010-09-04から1日間の記事一覧

連載作品について

・群像を買い続ける理由のひとつである『地上生活者』が休載している。創作上の問題ならまだしも病気などが原因であれば悲しい。あまりこういう声はネットには無いだろうから、応援してます。なんとか頑張ってくださいと書いておく。 ・『末裔』が終わった。…

『ピラミッドの憂鬱』楊逸

主人公が、中国から日本に来ている友人の幼児性を笑っていながら、結局自分まで母親とべったりの自立できませんでしたという結末になってしまうのが面白い。党幹部がのさばる賄賂社会と、その一方で、公正さによる裁きの徹底さ。失業問題。そして何より一人…

『ドナドナ不要論』舞城王太郎

一行目がまず素晴らしい。ノックアウト。 いつもこの作家を読むときにしていることだが、深読みせずに、今回は「人の物事の感じ方の落差」からくるディスコミュニケーションの、そこで生じる様の可笑しさを、ただただ面白いと思って読む。とくに主人公の妻が…

『シーリング』C・N・アディーチェ

英米でアフリカから来たひとりの青年として暮らす事と故郷ナイジェリアでのエリート生活との落差を主に描いている。ナイジェリアでいくら恵まれた生活をしていても心にひっかかりを覚える。むき出しの、あまりにむき出しで不公正としか思えない後進国資本主…

『山羊の目は空を青く映すか』桐野夏生

意味が分からない。いったい何を書きたかったのか。 まず思ったのはこういう過酷さは長続きしないだろうなあ、ということ。支配する側もあっというまに潰れてしまうような制度を構築するほど馬鹿じゃないというのを現実において沢山みてきているわけで、こう…

『群像』 2010.8 読切作品ほか

ラジオを流していたら大貫憲章さんがでてきて、この人はやはりしゃべりなれているなあ、と島田雅彦と比較し思いました。 しかし、大貫さんの話はCDが売れなくなった話だったのですが、いくら話し上手でも説得力は私にとってはいまいちでした。音楽好きな人…