2012-09-03から1日間の記事一覧

『星砂物語』ロジャー・パルバース

うむ良質なエンターテインメントですな。 とったどー、の濱口を見てても分かるとおり、ヤスを使ってさえ何時間もかかるのに、16歳のこないだまで看護婦をやっていた少女が竹槍でタイやエイを捕らえてしまったりするのはどうなの?とか、いくら衣服が女性モ…

『アメリカ』磯崎憲一郎

アメリカということで、前半は仕事でアメリカへいったときのことを中心として語られて、これまでの磯崎作品の延長というか、これだけでも面白いのだが(とくに裏通りで男に腕をつかまれたときのその力の描写とか)、後半の、ベンチャービジネスがもてはやさ…

『帰る』長嶋有

SNSで知り合った人が集まって飲むはなし。あーもう私にとっちゃどうでもいい世界だなあ、というのが前半から中盤まで。あだ名というか、登場人物のハンドルネームのセンスとか、「」の切り取り方のセンスが、もう受け付けない。デジャビュな感じというか…

『ばあば神(連作完結)』村田喜代子

あの日(3/11)とその日から数日のあいだに、ひとりの子持ちのシングルマザーに降りかかった出来事を描写するもので、ど真ん中な震災(体験)小説である。なるほど生き生きした描写はあるので評価はそれほど下げなかったが、体験としては、最大公約数的な多…

『世の中おかしいよ』石原慎太郎

一応小説らしく主人公は警察官ということにしてあるが、その彼に、外国人犯罪のこととか、クスリの規制の問題とか、内容は都知事としていま直面し危惧している問題をそのまんま語らせていて、まあ正直というか(題名を含めて)、でも、以前読んだような文学…

『文學界』 2012.4 読切作品

いつも渋滞しない道路が渋滞してて先頭出てみたら、道幅狭くてトラックが自転車抜けなくて自転車の後をついて走っているような状態。「テメー後ろ見てデカい車は止まって先行かせろよ」と自転車乗りに言ってやりました。ただし心の中で。 朝日の反原発記事で…