2012-08-08から1日間の記事一覧

『デッキブラシを持つ人』堀江敏幸

これまでにも幾度か読んだ記憶があるが、フランスの詩人の足跡を尋ねるもの。

『メタノワール』筒井康隆

映画の一シーンを撮り終えたと思ったらそれも映画の一部で、その映画の舞台裏を描く映画がやっと今度こそ終わったと思ったらそれもまた作品の一部で、という具合に延々つづく小説。メタメタメタ・・・映画を描いた小説とでも言えばいいか。アイデア一発という感…

『ひっ』戌井昭人

怪しげなクスリ、プータロ、といつもながらのこの人の世界で、こういうのが面白くない人はまるで面白くないだろうな。私はそこまで限定するのは微妙だが、酒を飲まない私はなぜかというとまずいからではなく酔いたくないからで、多分クスリが犯罪でなくても…

『十三月怪談』川上未映子

まごうことなき傑作。単行本未収録だとしたらこの号の新潮は宝だな。 最愛の人を亡くした人のその後を描いた作品。妻を病気で亡くした夫は、これ以上ないくらい悲しむのだが、どうしたってその悲しみというのは薄れるものであって(でなければ人は生きられな…

『いつも彼らはどこかに』小川洋子

立川のほうにもモノレールはあるが府中の側は通らないので、この小説に出てくるのは浜松町からでてるモノレールのことだとは思うが、それはたしかに大井の、馬糞の匂いが漂ってくるくらいのところを通るものの、ディープインパクトが一度も走ったことのない…

『奇貨』松浦理英子

中盤から後半にかけて主人公が同居人の部屋に盗聴器をしかけるあたりで動きがでてきてがぜん面白くはなったけれど、多くは、性交渉の気配すらなく友人として同居するストレート男性とレズ女性を中心として、性、あるいはもっと広くコミュニケーションという…

『新潮』 2012.6 読切作品

吸われていないセブンスターが道に落ちていて、拾おうか暫く迷ったとです。 朝日新聞によると金曜日の夜に官邸前でデモ、再稼動後もまだやってるんですね。べつに朝日が好意的に報じてるからイヤとかじゃなくて、以前から、首都圏からそういう行動を起こすの…