2012-05-13から1日間の記事一覧

『“フクシマ”、あるいは被災した時間』斎藤環

なんか、連載が始まった頃文句をいった覚えがあるのだが、放射能の害をいいたてるものから、放射能の害を言い立てるものによる害を問題にするようになってきていて、失礼な言い方だが、どんどんまともになって、頷きながら読んでいる。 文学界隈は、ノーベル…

『橋』黒川創

今回は小説そのものにかんしてほとんど感想というべきものがないのだが、小説の登場人物がもしイージス艦が横須賀の原子力空母をコンピューターの誤作動かなんかで誤って攻撃したら原子炉がアレして半径数キロ以上が、とか恐怖するところでなんだそれ、と思…

『ある晴れた日に』稲葉真弓

しつこくこの半島ものを読ませていただいているが、興味をひかれるどころか、そこでの生活を良さげだなあと感じたことすらない。だからうらやましくもないのに、なんか余裕のあるひとはいいね、とかときどき思ってしまう所が私の性根の腐ったところ。でも、…

『恋愛雑用論』絲山秋子

私にとって商品価値があるのは、このページだけといっても過言ではない。 この小説のなかに「どこに、ひとがふつうに生きていくことについて正しく話せるひとがいるというのか」というくだりがあるが、私の理解ではこの作家ほど、話せているかどうかはともか…

『双頭の船』池澤夏樹

第一回からもうヒューマニズムを感じさせる。もちろん、つまらなそう、という意味。

『不在』筒井康隆

申し訳ないが(と大御所っぽいのでつい謝ってしまうが)、筒井康隆のさいきんの小説で面白いと思ったことがない。 ばかりでなく何を書きたいのかが殆ど伝わって来ず、震災奇譚とあるが、この作品のどこに「震災」があるのかが、分からない。世界が女性だけに…

『創る人52人の2011年日記リレー』

ちょい昔の山城むつみ氏の隔月連載が載っている号を除けば、殆ど読み返さないし家も狭いので、大部分捨ててしまっている「新潮」だから、100年保存とうたわれているこの号も100年どころか我が家では2年も保存しないだろう。飴屋法水磯崎新野田秀樹都…

『新潮』 2012.3 読切作品ほか

ちょっと油断していたら一ヶ月ぶりぐらいに尻の穴が破れました。 ところで、日本からアメリカに自分が悪い電波か呪いかなんかを送っているんじゃないかと最近思います。というのは、NBAのプレイオフをしつこく見ているのですが、ここ5、6試合ぐらい自分…