『“フクシマ”、あるいは被災した時間』斎藤環

なんか、連載が始まった頃文句をいった覚えがあるのだが、放射能の害をいいたてるものから、放射能の害を言い立てるものによる害を問題にするようになってきていて、失礼な言い方だが、どんどんまともになって、頷きながら読んでいる。
文学界隈は、ノーベル賞作家を筆頭に、放射能の害を言い立てたりする、まったく安全で無害な(なにしろ世論調査では皆原発反対なのだから)言説が支配しているかのような空間となっていていて、つい斎藤氏を応援したくなるが、もちろん私のような退廃的で一貫性のない人間とは氏は異なり、反原発を明確にしていらっしゃる。
いつも言ってるんだけど、原発にいくら問題があろうと科学に問題があるわけじゃないんだけどなあ。