2012-02-26から1日間の記事一覧

『246号線』上村渉

題名見たときは(そのまんまやん)とつい思ってしまったよ。 ところで、わたしの感覚では、16号線とかカンパチのほうが交通量が多いような感覚に陥るけれど、ああいう環状になっている道路と違って、地方と東京を直線的に結ぶ道路は思い入れを呼び込みやす…

『僕らはハッピーエンドに飢えている』松波太郎

とりあえず読んで笑えるところがあればポイント高しっていう基本的な方針でやっているので。カナダってカナダ語ってははは。 この人は市井のおもろいひとを、まるでそのまんま、こういう人がいてもおかしくないという感じで描くのが上手いよな。知り合いが、…

『説教』墨谷渉

直近に読んだ作品があまりに面白かったので、ついほんの少し物足りなさを感じてしまったが、どんな傾向のことが書かれているのがある程度分かっていて、それでも面白く思えるというのは、良いことなのかどうか。もはやファンともいうべきレベルになりかかっ…

『七月のばか』吉井磨弥

新人賞というのは到達点というより通過点なのでこういうケースもそこそこあるけど、受賞第一作からこれほどの力作とは、という感じ。この作品の載った号から遡って半年くらいの「文學界」のなかでは一番の作品だったんではないだろうか。 で、この作品には単…

『メッテルニヒ氏の仕事(第一部)』佐藤亜紀

近代国家の枠組みが徐々に出来上がってくるころの、欧州の上流階級出身の役人を描いたものなのだが、この時代の欧州にさほど興味があるわけでもなく、しかもそこそこボリュームあるので、最初は読まないつもりだったんだけれど、最初の数ページ読んでいたら…

『文學界』 2011.11 読切作品

冬場はいつもスネが乾燥して夜中に掻き壊すため、毎年別のフットクリーム的ものを買うのですが殆ど効果なく、でも塗らないよりマシなので塗っていたのですが、先日職場のオバサン連中が話しているのが耳に入ってきたワセリンを試したところ、効果てきめん! …