2011-01-26から1日間の記事一覧

『わたしの彼氏』青山七恵

いまだに落胆が消えない。こんなにも面白い連載がこんなにも早く終わるなんて。もう鮎太朗やテンテンには会えないの? たぶんマンガ雑誌とかだったらありえない事じゃないだろうか。マンガの場合連載中の反響によってストーリーを無理やり引き伸ばしたり、唖…

『ハバナの夜』石黒達昌

この題名で医療現場のものとはなかなか想像ができない。題名であるとか、ラストでセミの泣き声で終わるところとか、いかにも風景を心象として描くありきたりな文学臭がしたりするところは頂けなかったが、なかなか読ませる一編。 謎解きはスリリングだったし…

『いい女VS.いい女』木下古栗

全くもう。 先だって芥川賞が決定したらしいけど、文春関係者の方々よ今からでも遅くない、この一作を加えて三作同時受賞にすべきである。一作だけでなく二作選ぶのも可というなら、べつに三作選んだって構わないだろう。 え?候補にすらなってないって? そ…

『テンガロンズ』栗田有起

近過去というのは、どうしてより古臭く感じるのだろう。なんも汲み取るところのない、ひたすら私にとってどうでも良い小説だ。フォローしておけば、どうでも良くない人もいるだろうが。 こんな感じの、おそらく業界体験のないであろう人が書いたような、ない…

『尋ね人』古井由吉

題名はただの尋ね人だが、今回は、記録的な暑さとともに先だって話題になった行方不明高齢者の話題が小説に取り込まれていて、時事的な小説である。意識の底をさぐるような、というより意識そのものを作り出すかのような丹念な描写は相変わらず。 かつて、戦…

『群像』 2010.12 読切作品ほか

値上がり前に買ったセブンスター(ズ)が、とうとう底を尽きました。まともな財政感覚(あえて健康感覚などとは口にしませんぜ)のある人ならばタバコ止めるかどうか考え時なんでしょうが、全くその気はありません。これ以上更に値上がりして、何のために働…