2008-01-09から1日間の記事一覧

創作合評の田中弥生の川上作品評

田中弥生さんは頭の切れる人で、ネタばらしが得意技で、それだけでなくきちんと文学の知識も豊富な人なのだ、というイメージを残して彼女の当番は終わってしまったのだが、最後のこの川上未映子評はさすがになんなんだろうコレ、というものだった。 一葉への…

『天使の輪』朝比奈あすか

はじめて妊娠した女性が、昔学生だった頃にいじめて辞職させたそのとき妊娠していた女教師のその後に執心してしまう話。中学生の悪口ごときで辞めてしまうようなウブな教師などいるかとか思ったりするが、今の教師なんていろんな人がいるみたいで、無い話で…

『アンジュール』樋口直哉

小さい頃食パンを良く食べる犬がいて、その犬が死んで埋めたとき近くの川に食パンを流して供養した、そんな回想を含む話なのだが、不思議と心にひっかかってこない。パンの作り方を教える男性も、食パン犬を買っていた気丈な女性も、女性の父親だった男も、…

『記憶の告白』平野啓一郎

以前読んだ短編にしてもそうだけど、こういう平野作品の面白さは今一理解できない。言葉の一つ一つ、文章の隅々まで計算されていて、カッチリとしていて、氏が好きなマイルスの演奏のように隙の無さは感じるのだが。

『7つの質問』川上弘美

分からない分からないと言って来た川上作品だが、小説ではないこれは、こういうものを面白いと感じる人もいるかもしれない、と言う程度には分かる。

『新売春組織「割れ目」』中原昌也

群像2月号の鼎談で中原昌也の文芸誌制覇した4作品がまとめて言及されていたのだが、読めたとか読めないとか文章が上手いとか変だとかそんな第一印象的な話に終始していて、非常に物足りない。基本的に評者が皆投げ出してしまったような感じなのだ。ただ、…

『舞城小説粉吹雪』舞城王太郎

超有名な作家であるが、きちんと読むのは初めて。そんな奴がこんなブログをやっていていいのだろうか、という疑問は至極当然という気もする。(だから勝手ながら、悪評のときなどあまり気にしないで欲しいんだけれど。) とりあえず、『すばる』を除く買った…

『群像』 2008.1新年号から

ラジオなんかたまに聞いて、やっぱり音楽っていいなあ、と思ったりする事があるんですけど、積極的にCDで何かを聴いたりする気には、最近ほとんどならないのは何故なんでしょう。 昔は趣味欄に音楽鑑賞とか書いていたくらいなのに。