2007-01-24から1日間の記事一覧

小谷野敦の今月のコラム

サド公爵夫人に関する文学界隈の話。三島にはあまり興味はないので。

『掌で掬う人生』曽野綾子

超短編集らしいが、少しも面白くない。 よくできた話もあって[普通]にはしてみたが、これなら読むクスリでも読んだ方がまだ楽しい。

『落葉』辻井喬

あるジャーナリストの半生をなぞっただけのハナシ。 辻井さんてワタクシ小説みたいなのしか書かないと思ってた。 きっともう今は辻井さん何も経営していないんだろうけれど、二足のワラジという以上に書ける人だなとは感じた。 ただ、内容は普通の純文学。つ…

『鯔(ぼら)の踊り』高井有一

過去の友達に思わず言ってしまった事が、ちょっとした悔恨になっているハナシ。 普通のよくある純文学。

『常夏の豚』第二回 矢作俊彦

地方都市の無様なニッポン的光景とアメリカの影という、いかにも矢作的テーマが見えてくる作品で、確かに面白いが、これを目当てに千円近く毎月出すものでもない、というのがやはり正直なところだなあ・・・。

対談:石原慎太郎×北方謙三

内容は石原が自説や近況を述べ、北方をときに誉め、北方がおだてつつ拝聴といった具合。 内容そのものよりも、もちろん、石原や北方がどうでも良い作家なので、私にとっちゃ紙の無駄。 それにしても石原は作品化したいアイデア?ハナシ?がまだまだ、確か8…

『文学まであと少し』田中和生

基本的には紙の無駄なんだけれど、今月号は、私が読んでいなかった矢作俊彦と内田樹との言い合いが再録されていて、そこのところだけ少し興味引かれた。 ここだけ読むと、矢作の言うことの方がもっともという気がする。 憲法と軍備にかんして、内田は日本は…

『思考の遊歩』北田暁大

渋谷の街が特別な街からどこでも見られる場所になって良いことだと思った、郊外のロードサイドもよく考えれば似たような状況だけれどもこちらはなんかイヤだ。 というような、そんなハナシじゃなかったけ? とにかく私にとっては、全くどーでもよい事につい…

『歴史のかげに“食”あり』黒岩比佐子

ロシアの皇帝が、明治期に日本にきたときの話。 エッセイの題名のわりには、食そのものの細部が描かれてはいない。 ただ、日本の人々がロシアを非常に大きな存在として捉えている様子なのには、興味が引かれた。 現在、海外に出かける人は多くはなったが、外…

『私のマルクス』佐藤優

そもそも誰が佐藤優の半生など知りたいと思うのだろう? という疑問もあるのだが、これが意外にも面白く読めた。 神学部の学生が学生運動とどのように関わったのか、というのは、けっこう面白いテーマである。 マルクスはともかくマルクス主義者は宗教を否定…

『観念的生活』中島義道

中島義道というと、面白哲学エッセイの人、ということに私のなかではなっている。 ということは、面白哲学エッセイってあまり面白くないと考えている私にとって、中島はどうでも良い人という事。 たまたま鞄に文學界しかなかったという状況に観念して、中島…

『文學界』 2007.2

小谷野敦の小説につられて買ってしまった『文學界』2月号。 目次を見つつ、やっぱり余り読むところねえなーと失敗感に浸りながら、とりあえず目に付いたものを読むことにする。 たまたま鞄に、文學界しか入ってなかったのだ。