『文学まであと少し』田中和生

基本的には紙の無駄なんだけれど、今月号は、私が読んでいなかった矢作俊彦内田樹との言い合いが再録されていて、そこのところだけ少し興味引かれた。


ここだけ読むと、矢作の言うことの方がもっともという気がする。
憲法と軍備にかんして、内田は日本は肝心な所をはっきりさせないことが良いだから憲法自衛隊もそのままが良い、矢作は違うはっきりさせないから日本は大戦中デタラメやったんじゃないか、というというような事をいう。
内田は戦後それでうまくやってきたじゃないか、という思いがきっとあり、矢作はそんなのは国際的な力関係でたまたまうまく事が運んだだけ、と考えているんじゃないか?
矢作の過去の著作をみても、国際的な力関係のありようには確かな眼が感じられ、どうしても矢作の言う事に説得力を感じるのだが、ただ、だから改憲かというと、そんな単純でもない気もする。