『観念的生活』中島義道

中島義道というと、面白哲学エッセイの人、ということに私のなかではなっている。
ということは、面白哲学エッセイってあまり面白くないと考えている私にとって、中島はどうでも良い人という事。
たまたま鞄に文學界しかなかったという状況に観念して、中島のエッセイを読む。
どうでもいいが、書くほうも観念、読むほうも観念である。
で、読んでみたが、いかに自分が優秀な学生だったか、ということと、ヨーロッパに留学して心細かったことと、哲学的言辞が書いてあって、意外にもそこそこ読めるものだった。
いかに自分が優秀であったかなんて書かなければ、もっと良かったのに。
哲学的言辞のなかで、有にたいするものとしての無とそのままの無の混同に関する所など、非常に分かり易く、こんなに分かり易くていいのか、と頭の悪い私はかえって心配になってしまうのであった。