2012-06-29から1日間の記事一覧

『ライオンと無限ホチキス』古谷利裕

何が書いてあったのか全く思い出せない。今パラパラめくっても思い出せない。というか、分かるためにはパラパラして部分部分をつまみ読みしてはダメな、つまりはそういうタイプの小説で、かといってここに感想書くためにいくら短編とはいえまた読み返すつま…

『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』木下古栗

この作家については誉めに誉めまくってきたので、いまさら何の新鮮味もなく思われるかもしれないが、今作はこれまた掛け値なしの傑作で、こんな事冗談で言っていると思われるかもしれないが、木下古栗のためではなく芥川賞自体のために、芥川賞授与を検討し…

『とつきとおか』中納直子

中心に描かれるのは、あるちょっとだけ足りない若い女性の妊娠なのだが、ちょっと足りないというのは、べつに知能が足りないとかそういうのとは微妙に違うことで、たとえば抜け目ないとか要領がいいとかいわれるのとはまったく逆の性格であるということ。 小…

『クエーサーと13番目の柱』阿部和重

こんかいで最終回。おなじく「群像」連載だった『ピストルズ』が、面白かったものの今ひとつ乗れない気分も残ったものだった私にとって今作は、隅から隅まで面白かったといってもいい。 阿部らしい虚無的な主人公が多数出てきて、あるアイドルグループの活動…

『お花畑自身』川上未映子

夫が経営する会社が傾いて、そのせいで、それまで住んでいた立派でしかも趣味のよい一戸建てを、急に手放さねばならなくなった主婦のはなし。その一戸建てはとうぜんそういう種類の家があつまるような閑静な住宅地にあるわけだが、不動産屋の仲介があって買…

『群像』 2012.4 読切作品

サバの頭をカリカリに揚げたのを無理に食べていたら、口の中が傷ついて口内炎だらけになりました。 NBA終わっちゃいましたね。これからNFL開幕まで、大きな意味でのスポーツ観戦としては、ときおり見る格闘技くらいしか楽しみがありません。あれだけ大…