2012-06-16から1日間の記事一覧

『ある日の、ふらいじん』伊藤たかみ

震災をおもなテーマにした小説で、被災地にいって自転車を直すみたいな話よりは身の丈で考えていてよほど共感できる内容だった。震災を機にいっきに性急になったような雰囲気にたいする違和が主につづられる。そのなかにはたぶん小説家の震災をうけて発せら…

『光(新連作シリーズ第一話)』長嶋有

光というのは山小屋に光ファイバーをひくその「光」だった。山小屋みたいなところでまでいってスマートフォンをいじったりしているところが面白みなんだろうか?記憶に残らないというほどではないが、感慨もとくになくて何もこれ以上書けない。

『過去の話(新連作シリーズ第一話)』磯崎憲一郎

文字通りというか題名どおり過去の話で、エッセイといわれてこれを読ませられれば人によってはそう受け取ってしまうような、どこまで事実かどうか分からないようなギリギリのところを狙って書かれている。もちろん、読むものの内部をさほど変えずただ共感を…

『すみれ』青山七恵

愛称が「レミ」という女性がでてきて、題名が「すみれ」というわけで、最初から少しバレつつ話はすすむ。このレミという女性は世間から少しずれていて、小説とか書く方面に人一倍関心があって、当然そういうのを目指したりするんだけれども叶えられなくて、…

『新年特別随筆』

車谷長吉は相変わらず面白いなあと読んでいて、米谷ふみ子のページで、「原発を持ち込んだ責任は?」「女性ではないとは言える」で、以降を読むのをきっぱり止める。ハイハイ、女性と子供はいつでも正義なわけですねえ・・・・・・。 たとえば、王室だとか皇室だと…

『文學界』 2012.1 読切作品ほか

もしかしたらすごく恥ずかしいことかもしれませんが、私がジャズやボクシングを好きになったのは実は狩撫麻礼の影響です。 というわけでボクシングですがパッキャオ負けましたね。階級差によるスピードの差を生かしたボクシングでずいぶんと騒がれましたが、…