2011-09-14から1日間の記事一覧

『逸見(ヘミ)小学校』庄野潤三

この号でいちばん面白かったのがこれ。やや厭戦的な気分あり、しかし死ねと言われれば行ってくるかの気配もあり、当時の空気をうまく伝えていると思う。 なんて当時を知るわけない私が言えるのは、あくまでいろんな人の回想記や、インタビューなど見たりして…

『先カンブリア』諏訪哲史

このシリーズ最近では、面白げなことを書いているか否かばかりしか評価していなかったが、今回の作品はそういうところが少ないにも関わらず、いちばん退屈しなかったかもしれない。生物(鉱物もふくめ)が進化していく過程で、いかにもそこで見られそうな風…

『アトム』高橋源一郎

多分ものすごい恥ずかしいことだと思うんだけど、このブログではもう殆ど恥はかき捨てているので書いてしまうと、この続編ともいえる作品を読んではじめて、前作も原発が隠れテーマじゃないの、と気づいたとです。「アトム」といわれても「ロボットアニメ」…

『タダイマトビラ』村田沙耶香

読み終わってまず感じたのは、すごい腕力というかなんというか、とにかく力を感じさせる作品だな、ということ。この印象はその殆どがラストにかけての展開から来ている。そのまんま突っ走ってしまうとは、という。 あるいは、押し切ってしまうとは、といって…

『新潮』 2011.8 読切作品

ことしは節電の夏とかいって、周りの会話でうちは20%節電したとかちょっと自慢げにいう人がいたりしますが、これ、割合じゃなくて家族一人当たりの絶対値じゃないとおかしな話ですよね。だって前の年にジャブジャブ使っていたらその分ちょっとした節電で…