2010-08-26から1日間の記事一覧

『ボッグブリッチ』柳田大元

じっさいアフリカでは小学生くらいの子供が、銃をとったり、恐怖や不安から逃れるためにジャンキーになっていたりする。日本で中学生がタバコ吸うくらいでガタガタ言うなといいたくなるくらいの状況。で、共同体が点在するところを無理やり国境作っただけだ…

『細かい不幸』佐伯一麦

アスベストの怖さを訴えるという意義だけ、まったくそれだけしかない小説。全く何も残さないよりはマシなんだが。

『家族ゼリー』吉村萬壱

ハッテン場で二人の男性がアレをして、と読んでいると、二人が家族だったというとんでもないオチ。まあ参加する家族は、結局彼ら二人だけではないんだが、驚きの連続で参る。傑作だろう。 どんな別れや死や、病気などを描こうとも、この小説のここまでの行き…

『黄』花村萬月

この人はほんとうに小説家を目指している人にたいして親身だよなあ、と、それくらいの感想。書くには核が必要とか、説得力はあるんだけど、宮本輝あたりも違う言い方で同じこと言ってる感じ。「何か」が足りない、とかね。

『勝手にふるえてろ』綿矢りさ

元オタクというちょっとイタイ女性が二人の男性の間で揺れるはなしで、それほど凝った作りではない。 その主人公女性が、昔の男性に会うために同級生の名前をかたって同窓会を催したりするのだが、こういうタイプのひとがそんな行動力あるものなのか、という…

『文學界』 2010.8 読切作品

ひさしぶりに週刊文春とか週刊新潮をコンビニで手にとってみたら、その薄さに驚きました。広告料が減っているのは当然として、記事も少なくなってるんでしょうか。もう10年以上読んでないので分かりませんが。(私が読んでいたのは、糸井重里がコピー塾と…