『ボッグブリッチ』柳田大元

じっさいアフリカでは小学生くらいの子供が、銃をとったり、恐怖や不安から逃れるためにジャンキーになっていたりする。日本で中学生がタバコ吸うくらいでガタガタ言うなといいたくなるくらいの状況。で、共同体が点在するところを無理やり国境作っただけだから、昨今のように経済が発展しても、なかなか底辺まで分配されない。
というような状況を自分がある程度知っているからこそ、この小説内の様々な描写が私にとってはよりリアルなものとして感得されるのかもしれない。とくに金を手にすればすぐ酒に変えてしまう女性は存在感がある。主人公が間借りする夫婦の有様も興味深い。しかし、描かれているのがアフリカでなければ最後まで読んだかどうか。私にとって意味があるのはアフリカという事だけ。