2010-05-22から1日間の記事一覧

『春のすばる散歩部』

すばるを一風変わった文芸誌にしているという「だけ」しか、私にとって意味のないページ群。 いちばんつまらなかったのは山梨のワイン巡り。なかで五反田篇がやや興味深かったが、それでも金を払うようなものではない。

『黒くなりゆく』羽田圭介

群像でも似たような趣向のコミカルな作品があったが、この作家は、我々を疎外する企業や社会といったものを、コミカルに描くことでなんとか、そのなかに自分の居場所を見出そうとしているかのように感じる。否定してばかりいてもしょうがないというのは確か…

『103号室の鍵』茅野裕城子

巧拙はともあれ、この号のすばるで一番記憶に残ってしまったので、面白いという評価にした。 どこがというと、今までの人生結局買い物だけなんじゃないか、という強烈にして正直で、またおそらくかなり正確に言い当てていると思われる過去の自分への総括だ。…

『そのかわり』松井周

このメインの、ちょっと込み入った三角関係だか四角関係の話そのもののリアリティの無さ、ついていけなさはともかくも、途中途中に挿入される童話めいた話が恐ろしく退屈で、読み進めるのに苦痛ばかりを感じた。 主人公の職場での描写なんかは皮肉が効いてい…

『すばる』 2010.5 読切作品ほか

危うく一ヶ月以上放置するところでしたが、その主要な理由ではないものの、一年で一番の季節に家にこもってキーボード叩くなんて時間の過ごし方はなかなか出来ない性分の私なのであります。(ここが放置の主要な理由はまあ、やる気がないだけなのですが。) …