2009-10-10から1日間の記事一覧

『屋根裏プラハ』田中長徳

このエッセイが新潮に載ることにどういう意味があるのかよく分からないが、是非とも気取った、あるいは気の利いた文章を努めて書かないようにして欲しいものである。連載初回ほど酷くはなくなっているものの、読んでいて気分が害され、せっかくの貴重な体験…

『流跡』朝吹真理子

こういう思いっきり非リアリズムで幻想的なイメージが見られるもの、しかも町田康のような笑いの要素の無いものを高評価することは私の場合あまりない筈なので、これは[面白い]でも最高評価に近いものだ。 主人公じたいが男から女へと移り変わったりするのだ…

『地上で最も巨大な死骸』飯塚朝美

この題名は何かの比喩かと思ったら(まあ比喩でもあるのかもしれないけど)、そのまんま象の話だった。ここで1ポイント。 また、動物園に勤めた経験があるか余程の取材でもしないと書けないようなレベルにある事は確かで、その点は評価したいと思う。こうい…

『逆に14歳』前田司郎

文章が冗長だし練りこみが足らない箇所もある。そここそがこの小説の売りなのだろうが、何か面白みみたいなものを出そうという意図が見え隠れするしながら、少しも面白くない。これがたんに面白くない以上にしらけを増大させる。また、この冗長さの特徴のひ…

『新潮』 2009.10 読切作品+おまけ

先日のオリンピックの開催地決定では久しぶりに声が出てしまうくらい嬉しいニュースでしたね。 スポーツでの流れで言うと、いよいよプロ野球も終盤ということで無関心な者でも画面で眼にしてしまったりするのですが、しばらく前から感じていたこと一つ。 プ…