2009-02-12から1日間の記事一覧

対談『小説に対して謙虚でありたい』絲山秋子×鹿島田真希

お二人とも深刻な病気を抱えていたらしく、いちどそういう所へ落ちた人だからこそ書けるというものがあるのだろうが、これまでの作品自体で判断するならやはり、天才という言葉もつい使ってしまいたくもあり、落ちるだけでは勿論だめでこの創作意欲は常人な…

『背中の記憶』長島有里枝

今回だけでなくこれまでを含めた形で言及させていただくが、連載開始から暫くたっていて今頃言うのはなんだけど、この人のエッセイの上手さはなんなんだろう。ヘタな小説読むより人間を感じさせるよ。幼い頃の風景とかまるで自分のもののように思わせたりも…

連載終了『骸骨ビルの庭』宮本輝

なんかラストにかけてとくに修羅場もなく淡々と終わって、戦場でいちど死ぬ目にあった人間だからこそ出来たこと、みたいなテーマに関する部分もなんか休載があったりして薄らいでしまった感じ。人情話としての感動があるわけでもない。 根昆布水がどうだとか…

『ドリーム・ベイビー・ドリーム』樋口泰人

ある意味、『群像』の2月号を読んでいちばんショックを受けたページだ。コラ。スプリングスティーンをアメリカの長渕剛とは何事じゃ、って実は長渕剛なんてアルバム単位では全然聞いたことないんだけど。もちろん樋口さんに言ってるわけではなくて、樋口さ…

『「生」の日ばかり』秋山駿

評価不能。これを読んでどう思えばいいのか、さっぱり。

『ピッグノーズDT』海猫沢めろん

この間読んだ作品でも、思わず刑務所での習慣で大きな声で返事をしてしまう所だけは面白かったりしたのだが、この作品のほうが笑い所は沢山だ。なかで、女の子の趣味として考えれば微笑ましく思えてくるサブカル趣味が、じつは男?だったりすると、それ、た…

『実習生豊子』青山七恵

じつにシンプルかつオーソドックスなリアリズム小説。むつかしい言葉使いや凝った比喩など使わず、しかも、これまでの青山作品に出てきたようなエキセントリックなキャラも不在である。 ここまでやると、これはこれでひとつの極だな、と思う。だって内容自体…

『群像』 2009.2 読切作品ほか 続き

ときどき人に謝る事を知らないオバハンがいて、まあよくよく冷静に考えれば善悪の基準がそれぞれ違うだけなのだけれども、ちょっと冷静に考えるくらいでは払拭できないくらいの怒りを覚えてしまうくらい、どう考えても無神経すぎるという事があり、こんな事…