2012-09-13から1日間の記事一覧

『さしあたってとりあえず寂しげ』佐飛通俊

もう若くない、ひとり身の女性の話で、無理もないなと思うけれど、最近本当にこういうの多いんじゃないだろうか。世を映す鏡なんだよな、やっぱ小説は。主人公の内省の部分はそれほど違和がなく、クリーニング屋で男と知り合いその後起きた顛末も面白い。漠…

『オオクニヌシたち』三輪太郎

さいきんこの人はこんなんばっか書いているなあ。ぜんぜん面白くないとまでは言わないが、アメリカが日本を助けたのは、当初の理想が後退してからはずっとたんに赤化という波への防波堤でしかなく、神話と符合しているとか言われてもなあ。白けるだけだよ。

『人生ゲーム』綿矢りさ

同級生3人が子供の頃に遊んだ人生ゲームの悪い目の結果が大人になってことごとく実現してしまう。で、その人生ゲームに手を加えた人物がいたことを思い出し、彼の消息を知ろうとする・・・・・・。といったあからさまに作り話的な非リアリズム小説なんだが、感動…

『屋根屋』村田喜代子

この人はおなかの中の子供がしゃべったりするようなものより、こういうリアリズムのほうが断然いいんじゃないかな。しかも主人公が作家本人に近い年齢・性別っぽく、それが尚更一人称の文章を生き生きさせているような。というわけで、前半は非常に面白く読…

『群像』 2012.8 読切作品

唐突かもしれませんが、いや、あまり唐突ではないかもしれませんが、当ブログ本日をもって暫く多分、ほぼ休止状態になると思います。あいまいな言い方ですが、要するにどうなるか分かりませんので。更新頻度減って続くのか、減るうちどうでも良くなったりす…