2012-08-25から1日間の記事一覧

『島で免許を取る−最終回』星野博美

島でとった免許が東京で役に立つのか書いて欲しいとこのブログで書いたが、すでに書かれていた。頑張っておられる様子。というか、迷いながらもちゃんと帰ってこれるところなど予想以上で、池袋から川越街道に入ることが出来ずに明治通りを延々北上して半泣…

『ちょうどいい木切れ』西加奈子

経験的にいって、背の高いひとには気の弱い大人しい人が多く、背の低いひとはその逆だったりする。それがよく出ていて、また背の低い人のマイペースぶりが面白い。ただ、ユーモア小説としてみてちょっと中庸な感じかな。行儀がいいというか。

『四本のラケット』佐川光晴

今回は掲載誌はすばるでも「おれのおばさん」と関係のない世界で、しかし、たんに直接関係がないだけだ、というような内容。この作家はこのまま、善意の人々だけが出てくる希望の小説みたいなのしか書かない人になってしまうんだろうか。 いま実際に起きてい…

『今井さん』いとうせいこう

雑誌などに載る対談などのテープ起こしを仕事にする人の話で、たしかによくよく考えてみれば、一般常識はむろんのこと、対談する人の専門分野について相当程度の知識がないと、成立しないとまでは言わないが(編集側でチェック・助言すればいいので)、円滑…

『東京の長い白夜』瀬川深

技術的にとくに不満に思うところもなく。とくに、夢と現実世界との移行のさせかたなど鮮やかとまでいわずとも無理がない。そして、かように主人公の夢の世界をところどころ挿入することが、内容に変化を与えていて読む楽しみに寄与している部分もある。主人…

『すばる』 2012.3 読切作品ほか

男性の身だしなみで若い女性に一番嫌われるのは鼻毛が出ていることらしいですが、私はボーボーです。 先日話題として書いた野田氏の反原発集団との対話、やったんですね。とっくになくなったと思っていたのですが、それにしても、話す前から首相が「分かりま…