2011-10-07から1日間の記事一覧

『昼田とハッコウ』山崎ナオコーラ

佐藤友哉にならえば、連載途中の作品を批評するのは反則だということらしく、それも理がある。よってこの評価で言及することにする。つまり割り引いてこの評価ということだ。 それでも言及したくなるくらい、読んでいて頭にきたのだ。いままでは、ただ漫然と…

『塔の中の女』間宮緑

最後まで読んだ自分をほめてやりたい。 いやもちろん、最後までさしたる瑕疵もなくこの量を書き上げた作者こそ誉められるべきなのだろう。首を傾げたくなる箇所はない。がしかし、読んで夢中になったり気持ちが揺さぶられたりすることも同時に無く、もはや苦…

『子供の行方』古井由吉

この連作では気候の話などから入ることが多いと記憶していて、で、その記述が実際の自分の数ヶ月前の実感と一致したりするものだから、いつかは震災にも触れることがあるかもしれないと思っていたら、完結編でそうなった。 もっとも震災の当日にどんなふうに…

『特集−旅と本』

もちろん好きな作家のコメントとか、ぜんぜん面白くなかったとは言えない部分もあるよ。しかし、こういう特集って、私が嫌いで立ち読みすらしないダヴィンチとか、最近ぜんぜん目次も見てなかったりする『文藝』みたいで、すごく不安になるわ。 で、あえてこ…

『群像』 2011.8 読切作品ほか

ずっと以前に100均で買ったプラボックスの蓋が壊れたので、100均でマジックテープ買ってきて補修したのですが、新しいプラボックス買うべきだったと気づいたのは家帰った後でした。補修しながら少し悲しい気分でした。 最近スタン・ゲッツのバカラック…