2011-09-17から1日間の記事一覧

『癌ふるい』山内令南

新人賞受賞第一作にして遺作となってしまった。新人賞をあまり評価しなかったことに複雑な思いがする。この作品は構成上のこともあって、新人賞作品ほど一本調子ではなく好感をもてたが、評価は差し控える。

『命からがら』大道珠貴

もしそれが主人公のことだとしたら、読んで少しも「命からがら」という気がしてこないんだが、この作品では以前の作品であったような「男のTシャツから乳首が透けるのがいやだ」みたいな女子中学生みたいなワガママは少なくなっている。 過去の幼いころの回…

『恋愛は小説か』片岡義男

失敗した。予想通りだった。良いご身分のひとが自由な恋愛をしてらして良かったですねとそれだけ。会話にも面白みも深みもない。 この出版不況のなかでフリーランスでやっていけるなんて一握りの一握りだろうに、そういう気配がまったく漂わない。もしかして…

『亜美ちゃんは美人』綿矢りさ

これは面白い。思わず噴出したり声に出してしまうということは無かったが、綿矢りさで笑えてしまうとは。 これには、主人公の視点でずっと物語をすすめながら、「わたし」という語を使わず三人称で記述したことも良かったのかもしれない。ときどき主人公の心…

『文學界』 2011.7 読切作品

最近右手が自分の手じゃないような感覚に陥ることがあるのですが、事故の後遺症が今頃出ているんでしょうか?(ちなみに昔、この生涯一番大きな交通事故を起こしたのも9月です。) 復興の増税案が明らかになってましたが、またタバコ増税ですか。一応復興の…