『恋愛は小説か』片岡義男

失敗した。予想通りだった。良いご身分のひとが自由な恋愛をしてらして良かったですねとそれだけ。会話にも面白みも深みもない。
この出版不況のなかでフリーランスでやっていけるなんて一握りの一握りだろうに、そういう気配がまったく漂わない。もしかして20年くらい前の話なのかな? 時期をあらわすものが何もなかったように思うが、詳細に読み返す気がしない。連作らしいが次回以降はパス。
ちなみに小説の評価とは関係ないがカルボナーラに関する男のセリフがまったくカルボナーラの本質と関係ないのに格好つけているのが笑わせる。まあひとそれぞれだけどね。
カルボナーラはその名の通り、カーボン=黒コショウが肝。卵を使うかとか生クリームがどうだとか牛乳で代用?とか、チーズは何チーズとか、ベーコンがどうだとか、そんな事で悩むのはあほらしい。パンチェッタ?どこで買うんだボケてな話である。こういう人間はラーメンひとつでも魚介系がどうだとかうるせえんだろうな、うざいうざい。
高級なベーコンでしっかりダシをとって卵を固まらないように上手く絡めても、黒コショウを使わなかったら、たとえ旨くても締りのないただのスパゲティだが、たとえポッカのコーンスープの期限が切れた奴でも、それ2袋で、ベーコンなど何も入れず、ただコショウをいんげんの黒胡麻和えをイメージするくらいにふりかければ、パンチの効いたカルボナーラになる。抜群に旨いんだな。ホワイトソース系と黒コショウはもともと相性がいいので、ハウスのこくまろシチューだろうが何だろうが、余ったシチューなんかは一晩置かれて旨みが増しているから、粗引き黒コショウのボトルさえげっとすれば最高のカルボナーラになる。そしてS&Bの粗引き黒コショウはそこらのマルエツでも手に入る。
え?そんなのカルボナーラじゃないって?100年も歴史のないものが何が正当なんてあるかって話。