2011-02-28から1日間の記事一覧

『バリローチェのファン・カルロス・モリーナ』津村記久子

全く興味のないフィギュアスケートの世界がネタでも一気読みさせるのは流石だが、津村氏は以前サッカーのことで誰が禿げるか云々のことを書いていた記憶があって、しかし興味が一致しないものだなあ。サッカーなんてどこが面白いんだか。 小説としては、職場…

『フィクションの倫理』平野啓一郎

エッセイであるがなかなか読ませる。 どんなフィクションでも結局はネタとしてシニカルに消費しているだけ、という論に対してはっきりNOと言っているのは潔い。人は勧善懲悪の物語を消費することによってカタルシスを得るだろうが、排出しきれないものは残…

『これはペンです』円城塔

群像の鼎談で、残るもの、古典的なものを書くことには興味がないというか、書くつもりはないというか、そんな発言をしていた記憶があるが、そんな著者らしい作品。問題意識が、いかにも今的な、WEB時代の文学とは、みたいなところにある感じで。 つまりは…

『新潮』 2011.1 読切作品ほか

最近近所の猫が私の姿を見ただけで逃げるようになったのですが、放尿被害は相変わらずです。 猫にしてみれば、苛める私のような人がいるすぐ側にエサを与えてくれる人もいるわけで、生きる為には仕方ないんでしょうね。私も正々堂々こういう問題を解決するな…