『バリローチェのファン・カルロス・モリーナ』津村記久子

全く興味のないフィギュアスケートの世界がネタでも一気読みさせるのは流石だが、津村氏は以前サッカーのことで誰が禿げるか云々のことを書いていた記憶があって、しかし興味が一致しないものだなあ。サッカーなんてどこが面白いんだか。
小説としては、職場での先輩に当たる女性との深いようで淡い世界が描かれていてフムフムという感じだが、これだけ興味が重ならないと、その部分の評価もなんだかな、という感じになってしまう。
これは別に津村氏に言うわけではないが、あれほどショービジネスの先進国であるアメリカの、ハリウッドだのMTVだのは受け入れてスポーツは受け入れないんだろう、と思うことがある。この機会に言っておこう。いや、言い切ろう。NFLとNBAとNHLをそれぞれワンシーズンずっと見て、それでその後サッカーを見る気になる事なんてまず無いだろうと。アメリカ人がワールドカップを見ないのは知らないからだが、知っていて見ない人もたぶん多いだろう、と。
まあサッカーは完全に違うスポーツだから、MLBのあとに読売だのハムだの見たくなくなるのと少し違うかもしれないが、NFL知ってる人が同時にバルサの主要人物は知ってても、サッカー好きでストロングセーフティという言葉の意味を知っている人はごくごく少ない。