2010-08-28から1日間の記事一覧

エッセイ『小学生がラップを書いたらどうなるか』柴幸男

表題になっていることにも興味はないし、素人がラップしてそりゃ少しは型破りなものが出てくるだろう事もあるいみ当然で殊更興味はない。 私がこのエッセイについて書きたいのは「皆さんは日本語ラップときいてどんなイメージを思い浮かべますか」という問い…

『火ごもり』稲葉真弓

あまり読んだことないような話のせいで最後まで読めたが、その後まもなく忘れた。つまり傷跡を残さない小説で、こういう自然さこそが我々を蝕んでいるということだ。 田舎の人の寡黙さに、なにか過剰な意味を勝手に読み込んでしまう都会人の悪いところが描か…

『真珠譚』諏訪哲史

会話を「」で囲ったりすることや、「、」「。」などの句読点を追放した、小説。 小説というか、想念をずっとつづった感じのもの。在りし日の恋を追想するときには、恋の追想というより、その人を想っていながら、その人がいたときの自分のまわりの風景を想っ…

『どんぐり姉妹』よしもとばなな

最近なんかバッシングされたみたいでネットでは人気がなさそうなので「紙の無駄」とか言わないでおく。 ここにあるのは、なんて私達はかわいそうな境遇なんでしょうみたいなナルシズムと、それでも「働き者」だから自分の力で切り開きましたみたいな役に立た…

『新潮』 2010.8 読切作品ほか

ラジオをながしていたら島田雅彦さんがゲストということで暫く聴いてたんですが、ラジオということであの風貌と共に発せられないせいでしょうか、いかにも知性が乏しい感じで大丈夫かと心配になりました。 昨今の為替問題に絡めてゲストに呼んだということな…