2008-01-31から1日間の記事一覧

『いはねばこそあれ―男色の景色(二)』丹尾安典

前回はたしか明治期の文士たちの男色あれこれだったのだが、江戸期の文化の影響がまだ残っている時代の話で、とくに不自然でも何でもないので(江戸時代では男色は全くタブーではない)、あまり興味を持てなかったのだが、今回は三島由紀夫と絡めて『薔薇族…

『高畠素之の亡霊(二)』佐藤 優

やはり『私のマルクス』よりも評論的記述が多く、あれほどは面白くない。面白くないが、今やそれほど著名でもないマルクス研究家の事を書いてここまで読ませることができるのは、素直に佐藤の力だと思う。今のままだと日本の左翼の源流の頃の話だが、これが…

『四方田犬彦の月に吠える(二)』四方田犬彦

インドネシアの政情がとても不安定な地域に行ったときの話で、なんか感傷的というか情緒過多というか、評論と捉えずエッセイと考えればそれでいいのかもしれないが、ひとつも面白くないし、それゆえに長く感じる。

『第二シーズン』楠見朋彦

私が信頼している数少ない男性作家である楠見朋彦の作品は、前作(母の記念日)とよく似たテイストの作品で、ごくありふれた人々の生活を描く真っ当なリアリズム小説。今回の作品は女性のキャラクターが多少典型的な感じはするが、楠見の描く男性はやはりリ…

『首里城下町線』大城立裕

偶然かつての軍隊の上官の親類の人と出会い、沖縄にかつての戦友に会いに行きつつ、その頃を回想する話。 この著者のことをネットで調べて驚いたのは、けっこうお歳をめされている事。こんなにしっかりとした文章を書くとは正直驚いた。沖縄戦の内容について…

『新潮』 2008.2 読切ほか

なんとかウォーカーだか"ぴあ"だかでベスト3に入ったつけ麺やに、たまたま入ったのですが、少しも美味しくありませんでした。 ラーメンには何の拘りもないのですが、つけ麺だけは、私が定義するつけ麺と世間で美味いと思われてるつけ麺が著しく異なることが…