2007-07-24から1日間の記事一覧

『臈(らふ)たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』第3回 大江健三郎

浮かれ気分の大江氏なんて眼中にないかのごとく女優とプロデューサーが寝てしまったりして、いよいよ性的なテーマが前面にでてきた印象のこの作品なのだが、その性的な問題を、たんなる個人の問題に還元するのではなく、政治の問題とするような−国家とか支配…

『随時見学可』大竹昭子

まず言いたいのが、情景の描写がいまいち分かりづらいこと。主人公が見ている光景が構図的にどんなものなのか分かりづらい場面がある。そこを読者にはっきり想像させることこそポイントと思えるのだが。 話としては、小遣いで都心に(激安とはいえ)別宅のマ…

『女小説家の一日』鹿島田真希

今まで2作品しか読んでいないのにこんな言いかたはヘンかもしれないが、非常に鹿島田らしい作品というふうに感じた。 今回は夫婦間のディスコミュニケーション状況が延々と妻の側から語られていて、読み疲れするものの、それはよく言えばクオリティの高さが…

『新潮』 2007.8 読みきり作品など

8耐とかフジロックとか一年のなかで、もっともワクワクさせる季節となりました(若者だけかもしれませんが)。 この時期になると、山梨の高原のロッジでひとり残って延々とフォークナーの「響きと怒り」を読んでいたのを思い出します。 読みづらかったです…