2011-04-07から1日間の記事一覧

『サンクチュアリ』桜井鈴茂

たぶん私が読めていないだけだろうと思うが、面白くないものは面白くないのだから仕方ない。誰も彼もが格好よすぎてついていけないのですわ。そもそも初対面の女性と、こんな気の効いた会話を交わせるような奴が、強盗だか窃盗だかしなければならないような…

『おかもんめら』木村友祐

すばるのこの号で唯一「読めた」小説。 たしかに善悪がはっきりし過ぎていて、こんなはっきりとした悪役がいるようなもの文学として良いのか、という所はある。この小説は、自然=善、開発=悪あるいは、田舎=善、都市=悪あるいは、庶民=善、大企業=悪、…

『ロミオとロザライン』鴻上尚史

劇団の主宰者というか演出家というか作家というか、そういう人物が主人公なんだけど、彼の劇団が今度上演しようとする芝居と登場人物の実人生が、語っていくうちに徐々に重なってくるという、小説そのもののアイデアというか意匠はよく出来ていると思うし、…

『すばる』 2011.2 読切作品

桜は皆さん好きですか? 私が桜のことを意識し始めたのはかなり遅くて、社会人になって暫くしてからなんです。若い頃、中高生のころはまったくなんも意識していませんでした。それを意識し始めたのは、ある桜の巨木がある所で研修を行っていて、桜吹雪という…