『すばる』 2011.2 読切作品

桜は皆さん好きですか?
私が桜のことを意識し始めたのはかなり遅くて、社会人になって暫くしてからなんです。若い頃、中高生のころはまったくなんも意識していませんでした。それを意識し始めたのは、ある桜の巨木がある所で研修を行っていて、桜吹雪というか滝のような強烈な花びらの散る様を目撃してからのことです。
それから暫くはあちこち巡りましたが、しかし、名所と言われるようなところは最近はどこも行きません。人ばかり多くて。なぜみんな上野とか行くのかよく分かりません。
以前国立(こくりつではなく「くにたち」)みたいな住宅街+商店街なら、地元民しかいなくてゆっくり楽しめるかなと思ったら、土日というのも手伝ってただ歩くのさえつかえがちで、なんだこれは、と。まあ自分もその一因なんですが。


地震から一ヶ月たってあの日のことを語る人が少なくなったのでこっそり書いておくと、じつは、何も劇的なことはありません。
それどころか、恐怖すら体験していない。バイクに乗ってましたからね。
税務署に確定申告にいった帰り道、路線バスの後ろを走っていて、バスとともに信号で停車したとき、それは起こりました。たぶん・・・・・・。
はっきりしないのは、最初のほうの揺れに関しては、あのくらいの揺れは、高架や橋のうえなどで大型車が通ったときなどに感じるようなものと全く大差なかったからです。どこかで工事でもしていて、それで目の前のバスが揺れて地面も共振しているということを全く疑いませんでした。たまたま通った道が最近工事したばかりかのようなボコボコした道で、それも手伝ったんですよね。


地震のことは書かないとか前に書きましたけど、覚えているうちに少し書いておこうかなという考えに変わったので、続く。(かもしれません。)