2011-03-28から1日間の記事一覧

『沈黙と声』甘糟幸子

丁寧に読んでいないせいでもあり読解力のないせいでもあるんだろうけど、主人公と、山小屋の火事で死んだ人物との関係が最後までよく分からず(義理の母?)、それが気になって、クライマックスである眼の悪い死んだ人物の実子の告白が全く心に響かない。肝…

『イールズ播地郡』松波太郎

今号のすばるで一番面白かった作品(一番面白かった作品でもこの評価なのでまだ暫く買わないかな)。 今回の作品で改めて思ったが、この人はふだん小説など読まないであろう層の人々を描くのがうまいと思う。紋切り型でもなく浅くも無く、そこらにいそうだけ…

『あたしのいい人』佐川光晴

以前すばるに載った『おれのおばさん』の物語られた世界を、今度は施設の中学生ではなく、その"おばさん"を主人公にした小説。予め言っておくと、私が佐川氏の小説を悪く評価することはまず無いし今回も何一つ悪感情はないのだが、この作品については、今ひ…

『すばる』 2011.1 読切作品

いや、こういうときですから地震以外の話題でも書こうと思ったんですが、やっぱ無理ですね。書く気がしません。 かといって地震のこと書いてもどうせ平凡な感想になるでしょうから、いっそ、止めておきましょう。殆ど何も被害がないのにポジティビティを欠く…