2010-04-18から1日間の記事一覧

『批評と殺生』大澤信亮

途中に挟み込まれる近世に布教に来た人がでてくる物語みたいなものと、全体の、ラストなんかはとくにそうなんだけど修辞の美文調に萎えた気持ちになる。内容が観念的で、成否というより説得力の有無が問題になるような内容だっただけに、こういう文章になっ…

『ふける』藤谷治

妻も仕事もちゃんとある、つまり地位がきちんとある男性が、ある日なんの前触れもなく都内から地方都市へと「ふける」話。 まず言っておきたいのは、これだけの話をここまで膨らませる事ができるのは相当な技術が必要だろうと言うことで、それだけでこの作家…

『リア家の人々』橋本治

ほぼ一気読み。読んだ感触は直近の2作、『橋』や『巡礼』と全く変わらないと言ってもよいくらい。つまり面白さはまず保証されている。極端なはなし、1ページ読んだだけで、ああこれも傑作だろうな、と思う。 スタイルも変わらず、つまり昭和叙事詩みたいな…

『新潮』 2010.4 読切作品ほか

さてさて民主党もいよいよ瀬戸際になってまいりました。参院選では複数候補を立てる所もあるらしいですけど、このまま行けば間違いなく共倒れでしょう。過半数どころか第一党の地位すら危うかったりして。 政治とカネに関しては私は寛容なのですが、基地問題…